■皮様嚢腫とは


卵巣は女性にしかない臓器で、妊娠するために不可欠な排卵をするなどとても重要な役割を果たします。更年期障害とも深い関わりがある卵巣、いつまでも健康な状態でいてほしいものでよね。

しかし卵巣にも特有の病気があり注意が必要です。卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれているくらい、何か異変があっても症状として自覚しにくい臓器です。

そんな卵巣の病気の1つに「皮様嚢腫」というものがあります。成熟嚢胞性奇形腫とも呼ばれ、卵巣にできる嚢腫のことを言います。

皮様嚢腫は、もともとは赤ちゃんになるはずだった細胞や組織でできており、皮膚や髪の毛、皮脂、筋肉などが嚢腫の中に含まれています。

中には、ほぼ胎児のような形をしているものまであります。通常、卵子と精子が出会って受精してから起こる現象が卵子のみで行われるので完全に胎児としての形を成すことが出来ず、不十分な状態で嚢腫となって体内にとどまってしまうのです。

皮様嚢腫が出来る明確な原因は明らかになっておらず、知らない間に体内に皮様嚢腫を抱えているという女性がとても多いです。


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■皮様嚢腫が悪性になる可能性と確率は?


皮様嚢腫は、基本的に良性のものがほとんどです。しかし、全く悪性のものがないとは言い切れません。卵巣にできる嚢腫のうち9割が良性であると言われています。

ほとんどの場合が良性なのですが残りの1割の人が悪性であるという事実もあります。悪性であるという判断は、手術によって嚢腫と取り出し、その細胞を検査することによって行います。

また、閉経して更年期を迎えている方で皮様嚢腫がある方は特に注意が必要です。皮様嚢腫の好発年齢は20代から30代ですが、若いうちは良性であることがほとんどです。

しかし、閉経後はホルモンの関係でこれまで良性だった出来物が悪性の転化する可能性が高くなるのです。とはいっても、皮様嚢腫にかかっている人の全体的に見ると「悪性化する可能性が高い」というだけで、悪性化はごく稀です。

しかし、確実に可能性は高くなるので軽視することはできません。

今は大丈夫でも、長い目で見たら危険だということがあるので卵巣に出来物はある人はよく経過を観察して主治医の指示を仰ぐようにしましょう。

そして閉経している人もしていない人も、定期的な婦人科検診をしておくことによってより早く皮様嚢腫に気付くことができます。特に閉経間近な人や閉経している人は皮様嚢腫が悪性化してからでは遅いので、早期発見を心がけるようにしましょう。


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■皮様嚢腫は良性なら放置でいいの?


先ほどもお話したとおり、皮様嚢腫の中には人体の組織などが含まれており、重みがあるので他の卵巣の嚢腫に比べて「卵巣茎捻転」になるリスクが高いです。

卵巣茎捻転とは、卵巣を支えるじん帯が卵巣に出来た嚢腫の重さでねじれてしまうことです。卵巣茎捻転が起きると立っていられないくらいの激痛に襲われて、発熱、嘔吐などの症状が出ます。

最悪の場合は茎捻転によって卵巣が壊ししてしまい、全摘出することもあります。妊娠を希望している人の場合は避けたい事態ですよね。このような危険を避けるためにも、良性の皮様嚢腫でも医師の判断(皮様嚢腫の大きさなどを見て)で手術によって取り除く必要があります。

「良性なのになんで手術しないといけないんだ」と思うかもしれませんが、卵巣茎捻転は激痛を伴う恐ろしい病気なので、しっかりと対処しておきましょう。

手術は、開腹手術や腹腔鏡手術で行われます。最近では体に負担の少なく回復が早い腹腔鏡手術が主流となっており、手術に対して恐怖感を持っている人でも安心して手術に挑むことができます。