■桑実胚とは


不妊治療をしている方にとって、体外受精は妊娠の希望が持てるものでしょう。体外受精をするには、採卵で卵子を取りだし、精子と受精させる必要があります。その後受精卵は培養され、初期胚、桑実胚、胚盤胞と細胞分裂をしつづけます。

その中の「桑実胚」とは、培養から4日から5日が経ったころに16分割から32分割している状態の胚をいいます。分裂した細胞がひっつきあう形状が桑のようで、そのような名前がついています。


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初期胚と比べたらとても成長が進んだ状態で、着床の確率もあがり、桑実胚の状態で体外受精をおこなうと、その妊娠率はおよそ30%といわれています。初期胚の移植で着床にまで至らなかった方のステップアップとして選ばれることがあります。

自然妊娠では、受精から4日前後で子宮内に到着します。子宮についたタイミングでは受精卵は桑実胚になってのころだと考えると、培養から4日前後で移植をおこなう桑実胚は、初期胚や胚盤胞と比べると、とても自然な移植ともいえます。

そして桑実胚移植から10日ほどで妊娠判定日となります。

また、桑実胚移植は初期胚や胚盤胞の移植と違って実施している病院はまちまちです。もし桑実胚の移植を検討しているとすれば、事前に桑実胚の移植は行っているかを病院に聞いておきましょう。

■桑実胚から胚盤胞になる確率


胚盤胞とは、受精卵の分割がすすんで着床できる状態にまで成長した胚のことをいいます。桑実胚がさらに成長するとこの胚盤胞になります。胚盤胞は既に分割が最終段階を越えており、着床できる状態の胚なのです。

そのため、一般的には桑実胚よりも胚盤胞のほうが着床する可能性は高いと言われていますが、桑実胚の状態でもかなり分割が進んでいるので、実のところ胚盤胞と桑実胚とでは着床する確率は大きく差はありません。

そして桑実胚にまで成長したのなら、胚盤胞に成長する確率は高いです。生命力の弱い胚は初期胚の段階で淘汰されてしまうことが多いのです。


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しかし、だからといって胚のすべてが胚盤胞にまで成長できるわけではありません。途中で分割が止まってしまったりすることもあります。
結局、体外受精に使えるまでに至れるようになる胚は、質によって異なります。

桑実胚から胚盤胞になれる確率は…と数値にすることは非常に難しく、個人差や質によって大きく違ってくるので、胚の生命力を信じるしかありません。初期胚から通して、胚盤胞に成長する可能性は平均しておよそ30%前後という話もあります。

成長の遅い胚は質が悪い可能性があり、培養から6日以上経っても桑実胚のままだと胚盤胞になる可能性は低いです。

■桑実胚を移植するメリット


胚移植での着床の可能性は、初期胚よりも桑実胚、桑実胚よりも胚盤胞と、より成長して分割が進んでいるもののほうが高くなる傾向があります。特に初期胚と桑実胚の着床の可能性は大きくことなります。

だったらみんな胚盤胞を移植すればいいじゃないかと思うでしょうが、胚の質によって胚盤胞まで分割するのが難しいことがあります。また胚盤胞は培養期間が長いので他の胚移植よりも費用がかかります。

桑実胚は、採卵前から採卵、移植までのすべてを通しておよそ30万円かかるといわれています。病院によって幅はありますが、平均50万円ほどかかる胚盤胞に比べれば費用がおさえられます。しかし初期胚と比べると費用はかかります。

また、桑実胚は胚盤胞のデメリットである双子などの多胎妊娠や流産のリスクが低いと言われています。多胎妊娠の可能性を視野に入れて、家庭の状況やライフプランを考え、あえて桑実胚の移植を検討するのもいいでしょう。