■胚盤胞のグレードと妊娠率


胚盤胞とは、受精卵が卵管から子宮に向かうまでに分裂を繰り返して、着床が出来るまでに成長した胚のことを言います。体外受精である胚移植の際にも、この胚盤胞を移植する「胚盤胞移植」があります。

これは、採卵して受精卵を作って培養液の中で5日から6日ほど培養・分割させて胚盤胞にしてから体内に戻す移植方法です。胚盤胞は、初期胚とちがい、すでに着床可能な状態なので着床する可能性が高いです。

その胚盤胞にもグレードというものかあり、それによって妊娠率も変わります。グレードは6段階まであり、数字が大きくなるにつれて成熟度が高いです。グレードの分けかたとして「胞胚腔」の広がりかたが基準になります。胞胚腔の広がりが早いものは発育のいい胚ということになります。


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グレード1は、胞胚腔が半分以下の状態。
グレード2は、胞胚腔が半分以上になった状態。
グレード3は、胞胚腔が全体にいきわたっている状態。完全胚盤胞といれるものです。
グレード4は、胚盤胞をつつむ「透明帯」というカラのようなものが薄くなってくる。
グレード5は、透明帯から孵化を始めている状態。
グレード6は、孵化した状態です。いつでも着床することができます。

グレード3以上のものになると、更にA・B・Cとa・b・cに分類がわかれて(両方とも大文字で表すこともあります)、胎盤のもとである「栄養膜」の状態や、赤ちゃんのもとである「内細胞塊」の状態や、胎盤のもとである「栄養膜」の状態を細かにわけます。見方としてはAやaが一番状態がよく、その後にBやb・Cやcと続きます。

例えば、「4Ab」という評価があるとすれば、胚盤胞(胞胚腔の成長具合)は「4」、内細胞塊の状態は「A」で一番よく、栄養膜の状態は「b」で、普通であるということがわかります。

これは当然、評価が良い方が妊娠率が高く、グレード3以上の胚盤胞を調査したところ、Aaの妊娠率はおよそ53%、Abはおよそ35%、Baはおよそ48%、Bbはおよそ30%という数字でした。

ちなみに、どちらかの評価に「C」が1つでも入ると確率は25%以下になり、両方とも「Cc」だと、妊娠の確率は5%という、非常に苦しい数字になります。理想は「5Aa」など、胞胚腔の成長具合、内細胞塊や栄養膜もトップのグレードであることが当然望ましいです。

このように、グレードがよければよいほど、妊娠する可能性は高いものと言えます。ですが、だからといってグレードの低かったものは絶対に妊娠できないないとも言えません。


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■胚盤胞のグレードが低いとダウン症が産まれる?


高グレードてあれば、内細胞塊も栄養膜も良質なものであり、妊娠する可能性も高いといえます。

しかし逆に、グレードが低かったら妊娠率は高グレードと比べて低くなりますが、それは確率の話しであり、絶対に妊娠しないともいえません。

そしてこのグレードで、低いものはダウン症児が生まれるリスクがあるのでは?と思う方もいるでしょう。グレードの低い胎盤胞は染色体異常である確率が高いと言われています。そしてもし染色体異常のあるグレードの低い胚盤胞が着床できたとしても、流産する確率がとても高く、妊娠を継続するのは難しいものが多いです。

このように、グレードが低い胚盤胞を移植することにはデメリットがいくつもあるため基本的には移植に向かないとされています。

ですが、それでも移植したいと決断をするのは当事者である子供を望むご夫婦なので、それでも妊娠を希望するのならばリスクをしっかり把握した上で医師と話し合って決めていくようにしましょう。